ケータイ彼女に恋して
そんな気持ちも、すぐさま押し寄せた―…
敗北感にかき消されてしまった。
さっきまであった威勢のよさは何処へやら…
オリジナリティなんて吐いてた台詞も何のその…
深い脱力感に見まわれた俺は、
それ以上、携帯を操作することはかなわず、パタンという虚しい音を部屋中に響かせ、そのまま閉じてしまった―…
あぁ…
俺は小説を書くのがヘッタクソだったんだな…
…だから、評価されなかったんだな…
ダメだ…
こんな作品、見せられたら、この先、
小説なんて書いていけねぇや………
小説に限らず漫画や音楽、創作と呼ばれる全てのものは、他人と競うものなんかじゃないって、
そんな事わかってるけど…
この時の俺は、心の中に初めて生まれた気持ちに、抗う事など出来ずに、
ただ…
梅山ナツという作家を評価する事でしか、自分を慰める事など出来なかった――…。