ケータイ彼女に恋して
…そんな
小説に対する想いを思い出しながらも、
携帯画面に広がる世界に意識を戻した―…
―読者からの感想に対し梅山ナツは、
その一つ一つに感謝の気持ちを記していた。
それは丁寧で、かつ人柄の良さを思わせるような、
そんな言葉だった。
それを目の当たりにした俺は、
梅山ナツの小説に対してではなく、
梅山ナツという人間に触れたいと感じた。
だけど俺は、
いや、この時の俺は
梅山ナツの事を
小説のヒロイン
『小説大恋愛』に登場する
"遥"という女の子と重ねて見ていたのかもしれない―…