ケータイ彼女に恋して
その日の夜―。
部屋に帰り着くと、真っ先に風呂に入り、テレビを眺めていた。
時計の針は午後八時を指している。
いつもなら…
この時間は小説を書いてる。
けれど、今日は、
というか"今は"小説を書く気がしないので、テレビを見ながら時間を潰している。
頭の中は梅山ナツからの返事待ちでいっぱいで、小説どころじゃない。
勝手に待っているだけでも、待つと感じれば、その時間はとても長く感じる。
ほんの10分前に確認したばかりなのに、
体は無意識に携帯電話を開く。
本日何度目のアクセスだろう…
アクセス先は、
梅山ナツの
『小説大恋愛』に設置されてある感想ノート。
「あ……あった!」
俺の書き込みに対し、遂に返事が書き込まれていた。