ケータイ彼女に恋して

…ドクン…


カラダを流れる血が、少しだけ活発に巡り始めたような…

妙な感覚。



携帯電話を握る左手に、ジワリと汗が滲む。


一人部屋。

そのとてつもなく広い空間の中で、

全神経は携帯電話の画面に向けられている。


白い壁に囲まれる中で、手のひら程の小さな光に包まれている俺。


その光は温かい。



梅山ナツという存在が、寂しさを包むような光となって、


今、俺を照らし始める…。
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