ケータイ彼女に恋して
部屋へ戻ると、誰か居るのかと思うぐらいに、人の声がこだまする。
テレビのおかげで、随分と賑やかだ。
それでも…
寝間着を纏い、髪を乾かし、小さなシングルベッドにドスンと腰を掛けると、おもむろにテレビのリモコンを手に取り、ミュートボタンを押す。
これも習慣の為、リモコンに目をやらずに、そのボタンを探し出す。
なぜ、
テレビの電源スイッチではなく、わざわざ消音ボタンで音のみを消すのか…
その訳も俺だけが知り、そして取るに足らない理由だ。
そんな日常の習慣、
一連の流れを経て、
やっと『この時』に辿りつく。
自身のホームページを開く瞬間に…。