ケータイ彼女に恋して
画面を見つめる視線を流し、部屋一帯をぐるりと見渡すと、
もう一度、携帯の画面へと戻した。
はぁ…。
短く深いため息をつく。
何でこの部屋は、無駄に八畳もあるんだ…
一人で住むには不必要なスペース。
その白い壁が広がる程、
手のひらよりも小さい、この画面に心奪われている事が、
時折、虚しく
時に寂しい…
わかりきった事。
今更だろ…
『寂しくて』もいいじゃん。
小説を書く事になったキッカケ、
そして書き続ける理由。
その思いは忘れちゃいけない。