Storm -ただ "あなた" のもとへ-
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方法は簡単だ。
わざと忘れた書類をロビーまで持って来てもらった。
そこへ暁子へ客が来ていると受付から内線を出させた。
降りてきた暁子は受付に聞くが、受付は内線など出していないという。
そして鉢合わせ。
綺樹はロビーの空中を渡っている廊下に立って見下ろしていた。
手摺りに両肱をついて寄りかかった。
先に見付けたのは涼だ。
二人とも驚いてから立ち話をはじめた。
やがてソファーに席を移して盛り上がっている。
綺樹はただ眺めていた。
自分と一緒にいる時は何だか小難しそうに、愛想のない顔をしているくせに。
涼の魅力。
色気だろうか。
色が付いていたら、暁子を取り巻き、周囲に居る人までも毒しているのが見えた
だろう。
ふっと息を吐いた。
これではのぞきだ。
趣味が悪い。