Storm -ただ "あなた" のもとへ-
7.不穏な風
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さやかとフェリックスが、二人に言い含めていたのだろう。
涼がいる間も、去った後も、しばらくはミハイロフとオラジュアンは大人しかった。
さやかにフェリックス以外とは結婚しないと言った。
さやかの統治によるダバリード王国も安定期に入っている。
内部の統制は取れ、身の危険を感じることも少なくなった。
利益も潤沢に生み出している。
オランジュアンとミハイロフが持っている採掘権はおいしいが、ビジネスとして契約を結ぶことにしても、いい条件で結べると思う。
それを自分が画策すれば、結婚は免れる。
綺樹は手の平でクリスタルのダイスを転がしながら、思索を練ってみる。
携帯が鳴った。
いくら音が改良されたといえ、いつだってこの機械音は心臓に悪い。