Storm -ただ "あなた" のもとへ-
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綺樹の入院は隠せなかった。
この所、表に立つ仕事も多かったからだった。
さやかはそのため、交通事故のための入院とした。
プレスにもそう発表した。
涼はトーストを片手にシンクに寄りかかり、その新聞を読んでいた。
飛び出してきた猫を避けるため、急ハンドルを切った結果、ビルの壁に激突。
涼はトーストをもう一枚手に取った。
単なる軽い交通事故だったら表に出さない。
入院していて、そうせざる得ない状態ならば、かなり重体だ。
そしてもう一つ考えられることは、入院と言って隠しているということだ。
真実を。
新聞をたたむとテーブルに載せた。
どうしようか。
心に決めたことをどうしようか。
涼は牛乳を飲み干すと、じっと窓に反射する光をみつめていた。