Storm -ただ "あなた" のもとへ-

もう2度と抱くまいと決めていた。

再び体内で化物を暴走させるのは御免だった。

だけど、だ。

抱いてくれれば誰でもいいという機会を、他の男には譲れない。

幸い、自分の律し方は慣れている。

今度は化物を飼いならしてみせよう。

さて。

上体を起こして、うつ伏せだった綺樹を仰向けにした。

じっくりとこっちが味あわせてもらう番だ。

フェリックスは喉の窪みにそっと唇を押し付けた。
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