Storm -ただ "あなた" のもとへ-
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たいていは隔月に帰ってくるが、珍しく次の月に綺樹はウルゴイティに帰ってきた。
「暑いな」
フェリックスの書斎に入ってきての綺樹の第一声だった。
そしてシャツの袖をまくる。
「珍しいな」
ローテーブルに置かれたジャーからグラスに水を注いでいる綺樹をフェリックスは眺めた。
今日帰ってくるとは全く聞いていない。
「なにが?」
氷がグラスにぶつかって音を立てる。
「催促か予定がなければここに戻ってくることなどないのに」
綺樹は片眉をちょっとあげた。
「二月分仕事をためると、この間のように倒れたときに回すのが大変になる。
だから毎月、ただし滞在日数を半分にしてくることにした」
グラスを持ったまま綺樹は自分の書斎へと行ってしまった。
まあ正しいな。
そう思ったがフェリックスは席を立ち、後を追った。
「今度から帰ってくるときは連絡をしろ」
綺樹はパソコンを立ち上げながら、部屋の境に立っているフェリックスを、ちらりと見上げた。