Storm -ただ "あなた" のもとへ-
10.火嵐
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今回はダバリード主催のパーティーの為、さやかに任せておけばいいので気楽だった。
とはいえ自分を含め、各部門のトップが勢ぞろいのため、無様な姿は見せられなかった。
「なんでこんなにパーティが好きなんだ」
エスコート役のルークに愚痴るように呟く。
ルークは秘書のうちの一人だ。
若いが淡々としているのが気に入っていた。
身のこなしも顔も悪くなく、品があった。
「そうですね。
コネクション作りでしょうか」
優等生の答えに綺樹はため息をついた。
「そうだな。
少し休んでくるよ」
ちょっとトイレに行くような様子で会場を滑り出ると、所用のためにとってある部屋へ歩き出した。
「綺樹」
その日本語的発音の呼びかけに、衝撃を受けて振り返った。