Storm -ただ "あなた" のもとへ-

「ああ、埋まってるね。
 夜遅くまで空かない」


どこかほっとしてそう答えた。


「そうだろうな。
 じゃあ、一杯つきあえよ。
 終わったら電話をくれ」


こういう時はどう拒否すればいいんだ。

綺樹は軽く目を閉じた。


「わかった」


さやかがどうするかと聞いていたのは、これを予測していたのだろうか。

綺樹は携帯を置くと、椅子を回して窓に体を向けた。

でも、もう関係ない。

そう。

関係ないのだから。
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