Storm -ただ "あなた" のもとへ-

「綺樹。
 危ないから送る。
 乗れ!」


こちらを見もせず、綺樹は涼を押しとどめるように片手を伸ばした。


「近づくな。
 さやかが付けているボディーガードがどっかにいるんだ。
 心配ない」


そう言って逃げるように足早に立ち去っていった。

涼は運転席のドアを掴んだまま、ため息をついた。

本当に最悪の展開だった。
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