Storm -ただ "あなた" のもとへ-

ジェットの手配をしなくては。

急激に目が回りだした。

まだ駄目だ。

ここじゃ駄目だ。

なぜだか涙も出そうだった。


「綺樹、大丈夫か?」


ドア越しに声がした。


「開けるぞ」


綺樹はかろうじて背を向けて携帯を探した。


「何か無いのか?」

「携帯」


フェリックスは綺樹をちらりと見た。


「朝になったら探してやる。
 ベットを貸してやるから、寝てけ」


それだけ言うと出て行った。

そうだ、とりあえず今は寝よう。

後で考えよう。

いや、もう考えない。

綺樹は目を閉じた。
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