Storm -ただ "あなた" のもとへ-
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時間を見計らって寝室をのぞく。
やはり綺樹はベットまで辿り着かず、床で寝ていた。
起きないとは思ったが、そっと抱き上げてベットへ運んだ。
上掛けをかける。
フェリックスは傍らに腰をかけた。
そう、電話番号は渡さない。
抱いてくれれば誰でもいいという機会を、他の男にみすみす譲るつもりは全く無い。
涙の跡を指でぬぐった。
なぜ綺樹相手には最低の男になってしまうのか。
いや、理由はわかっている。
かわいそうなことをした。
全く、20ほども年下の小娘に何をしているんだ。
フェリックスは自分の思考で改めて気が付いて、笑い出してしまった。
そうだ。
20近くも違うのだ。
みなが若いというのは当然だ。