Storm -ただ "あなた" のもとへ-

   *

時間を見計らって寝室をのぞく。

やはり綺樹はベットまで辿り着かず、床で寝ていた。

起きないとは思ったが、そっと抱き上げてベットへ運んだ。

上掛けをかける。

フェリックスは傍らに腰をかけた。

そう、電話番号は渡さない。

抱いてくれれば誰でもいいという機会を、他の男にみすみす譲るつもりは全く無い。

涙の跡を指でぬぐった。

なぜ綺樹相手には最低の男になってしまうのか。

いや、理由はわかっている。

かわいそうなことをした。

全く、20ほども年下の小娘に何をしているんだ。

フェリックスは自分の思考で改めて気が付いて、笑い出してしまった。

そうだ。

20近くも違うのだ。

みなが若いというのは当然だ。

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