Storm -ただ "あなた" のもとへ-

自信に満ちた挑戦するような笑いを口元に浮かべる。

何が起こるか綺樹ならわかるはず。

涼は顔を近づけた。

逃げなかったくちびるがそっと重なりあった。

短い時間の後、離すと息のかかる距離でみつめあう。

瞬後、綺樹は不敵な笑みを浮かべた。


「そんなのキスじゃない」


涼の後頭部に手が回り、引き寄せられた。

下唇が舐められたと思ったら、舌が絡まる。

涼は抱え上げるようにして、綺樹を椅子から立たせた。

ドレスを脱がせて、ベッドへもつれながら倒れこむ。

涼の動きが止まった。


「避妊できない」


くやしげに唸るように呟くと、綺樹が喉の奥で笑った。


「大丈夫。
 飲んでる」


そうして急き立てるように、くちびるをふさいできた。
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