Storm -ただ "あなた" のもとへ-
あの時。
綺樹が指輪を置いて部屋を出て行った時から、終わったものだと思い込もうとしていた。
毎日。
繰り返し。
この頃は慣れてきたと思っていた。
でも、一言、声を聞いただけで胸が震え、一瞬でよみがえる。
どれほど会いたかったか。
どれほど抱きたかったか。
感情の高まりをそのまま、綺樹にぶつける。
綺樹はもともと、あまり声をあげない。
それが今日はとてもじれったい。
でも肌が変わる。
しっとりとそして吸い付くようになり、離せなくなる。
少しくちびるを開き、全身をふるわせたのに、涼も追いかけた。
そのまま眠りに落ちて行ったのに、涼は腕の中に囲ったままでいた。
顔が疲れていた。
仕事が忙しいのか。
涼は綺樹の髪の毛を指ですと、パーティー用にセットされ、スプレーで固められるため、指が引っかかり髪の毛がひっぱられた。
それでも涼は繰り返していると、眠りの浅い綺樹は目を開けた。