Storm -ただ "あなた" のもとへ-

またあの頭痛だ。

薬が効かず、この間病院に行ってレントゲンを撮った。

確か今日辺り結果が出るはずだ。

涼は急ぐ余り少々乱暴に綺樹をベッドに寝せると、浴室に入って引き出しを開ける。

薬を水で飲み干して、しばらく目を閉じてじっとしていた。


「涼?」


顔をあげると鏡に綺樹が映っていた。


「どうしたんだ?」


驚いた顔をしている。


「単なる頭痛だ。
 薬を飲んだから大丈夫」


綺樹はまだ不審そうだった。


「いつから?
 随分ひどそうだ。
 ストレスか?」


眉をひそめていうその言葉に笑ってしまった。
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