Storm -ただ "あなた" のもとへ-
「とりあえず、俺だけで聞いておくよ。
夜、報告する」
綺樹は携帯を握りなおした、
「兄貴を。
兄貴に連絡する。
医者だから医療用語もわかるし」
病院を聞いてから携帯を切った。
深呼吸をくりかえす。
全然、落ち着けない。
兄の尚希に電話をして、状況を話すと向こうも黙り込んだ。
「会議が終わったら、私も直ぐに行くから」
「そうだね」
綺樹は携帯を閉じた。
集中しないと。
今は、会議に集中しないと。
ああ、神様。
あなたは超えられない困難は与えないはず。
綺樹は祈らずにいられなかった。