Storm -ただ "あなた" のもとへ-
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MRIも撮った。
その後の説明の時に綺樹が駆け込んできた。
見立ては変わらなかった。
脳に腫瘍が出来ている。
切除するのに難しい位置にある。
成功しても記憶をつかさどる場所にあるため、記憶障害が起こる可能性が高い。
性格や趣向、などなど変わる可能性もある。
ただそのままにしていると生存確率は低い。
3D画像で説明されて、涼はその鮮明な映像の方に妙に感心した。
廊下に出て3人は立ったままでいた。
「とりあえず帰りましょうか。
今日はご足労いただきましてありがとうございました」
涼は尚希に頭を下げた。
尚希は綺樹と視線を交わらせてから帰って行った。
「さて、おまえは職場に戻るのか?
そのまま家に帰るか?
それによって夕食の材料の買い方が変わるんだが」
綺樹は信じられない思いで涼を見上げた。