Storm -ただ "あなた" のもとへ-
鍵をキッチンの台に投げた。
買ってきたミルクにそのまま口をつけ、ふうっと息をついた。
何を食うかな。
紙袋をあさり、冷蔵庫にハムがまだ残っていることを思い出す。
期限が心配になり印されている日付を見た。
ああ、もう3ヵ月過ぎたのか。
何気なくそう思ってしまって、涼は自分で息を止めた。
頭から追い出すように、まな板へハムを投げ、集中してサンドウィッチを作り上げた。
ハムをハムエッグにし、トーストしたパンに野菜と一緒に挟む。
とても厚みのあるサンドウィッチになった。
それに噛り付くと、丁度溶けかけたバターとハムエッグにつけたケチャップとまざりあっていい感じだ。
半分くらい食べるとなんだか満足して、シャワーを浴びることにした。
煙草の煙と汗にまみれたままでは、とても気持ちが悪い。
たっぷりのお湯を使って汚れを落とすと、いい気分になって浴室から出た。
がしがしと頭を拭いて、もらってきた新聞をテーブルの上に広げる。
ひそやかなノックの音。