Storm -ただ "あなた" のもとへ-

   *

フェリックスから報告の電話を切って、さやかは顔を上げた。

夜遅く、さやかの執務室の照明は落とし気味だった。

暗がりにひっそりと立っている女性と目を合わせた。


「グレース。
 もうワンクッション必要なようね」


綺樹の秘書であるグレースは無言でうなずいた。
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