甘過ぎる彼氏



「言わないんじゃなくて

あえて言わないんだよ。

バーカ。」



「柚希にバカって言われたしっ。

俺、すんごーく傷付いた!

どうしてくれんの?

この俺の繊細な心。」



「あー知らね。」



バンッ



急に荒々しく教室の扉が開かれた。

驚いて扉の方を見てみると

絢が肩で息しながら立っていた。
そして俺と昇を見つけ走って

俺らのとこにきた。



「絢ど「由依華が………ないの。」



「え?由依華がどうしたんだ?

絢、1度落ち着け。」



「落ち着けるわけないわ!!

由依華が居なくなったの!!

私がトイレ行っていた間に…

少し移動したのかな?

って思って探して…

みてもい…ないの…」



そこまで言ってその場で

座り込んで泣き始めた。

クラスの皆は何事かと思い

俺らをジロジロ見ていた。



「昇…絢を連れて屋上行くぞ。」


「分かった。

絢、立てれるか?」



絢はコクンと頷いた。

いつも冷静な絢が取り乱している

なんてただ事ではないな。

けど、今ここで状況をきちんと

把握せずに行動するのは

相手が藍那とは言え

余りにも危険過ぎる…

由依華無事で居てくれ…



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