甘過ぎる彼氏
ガチャン
屋上へ出ると風が優しく吹いていた。
「絢、状況を話してくれ。」
「うん…
今朝学校に来て由依華に
挨拶したときから由依華の
様子が可笑しかったの。
チラッと由依華が何かの
紙を握りしめているのを見て
どうしたのかな?
って思って聞いてみよう
と思ったけど由依華って
あまり言わないでしょう?
だから、話したいこと
あったらいつでも聞くから
言ってね。って言ったの。
うん。って返してくれるの見て
今日はずっと離れずに近くに
いた方がいいなって思ったの。
特に体育終わった後とかね。
普通の授業だと柚希くんと昇が
いるから安心だけど体育の後は
私一人だからね。
注意をもっとするべきだったのよ。
私が。
何にも仕掛けて来ないから
大丈夫だと思って二人に
合流する前に由依華を
一人にしてしまったの。
私の油断がいけないのよ。
ごめんなさい。」
そう言って頭を絢は下げた。