noir papillon


柴架の言葉に否定の言葉も出ないハル達。

その様子に呆れた柴架は鼻で笑う。




 「さて、無駄話も終わりにしてそろそろ始めようじゃないか。楽しい楽しい死への旅。生死を賭けた戦いをな!」


尋常でない魔力を身に纏う柴架。

その夥しい魔力に身は震え気分を害し吐き気を伴う。




 「…今から始まる戦いは遊びじゃない。お前達を護ってやりたいところだが、残念ながら俺はそんな力を持ち合わせてなどいない。これからは自分の身は自分で守れ。生きる事を最優先に、自分の力を信じて戦え。大丈夫、お前達なら必ず勝てるさ。お前達の力は誰よりも強いのだから。俺はお前達を信じている。だから、絶対に死ぬなよ」


カナメの言葉にそれぞれ頷くハル達は魔力を高め戦闘態勢をとる。


深く息を吐き拳を握り、微かな不安と恐怖を胸に柴架を睨む。




 「別れの挨拶は済んだか?ならば始めるぞ。せいぜい足掻き苦しめ。そして私を楽しませる事だ!」















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