noir papillon
何の傷も負わない柴架は反撃とばかりに右手を挙げるが…
「っ…!何……!?」
突然襲った痛みに顔を歪め、腹部へと伸ばす挙げかけの右腕。
その掌に付着するのは深紅の液体。
「成る程、銃弾に何らかの魔法を仕込み小細工したな、タクミ」
「おっと、バレましたか」
「フンっ面白い」
瞬時に治癒を終えた柴架は地を蹴り其処から退避。
次の瞬間には刃が振り下ろされる。
「魔法も何も付与されていない攻撃など、私に当たる筈がないだろう?」
ミヤビの攻撃を交わした柴架は彼女を刃を持った風で斬りつける。
が、その風はミヤビには当たらず何かに弾かれ消え失せた。
「助かるよ、リッカ」
「援護は任せるのだ」
一旦身を引き柴架との距離を取りながら礼を言うミヤビ。
彼女を救ったリッカは皆の援護に回る。