noir papillon
「互いの欠点を補い合う事で個々の能力を最大限に発揮していると言う訳か。見事なチームワーク。そこは誉めてやろう。しかし、果たしてそれは利点と言えるのか?逆にそれは脆く危ういものだとは思わないか?」
狙いをさだめるシンリは柴架の言葉に眉をしかめ、魔法攻撃を仕掛け続けるタクミは怪訝な顔をする。
「例えば、今均衡を保っている力のバランスが、何らかの影響によって崩れてしまう。ほんの些細な歪みでも、それは大きな歪みとなり、保たれていたバランスはあっという間崩れ去る」
ミヤビの振り下ろした刃をひらりと交わした柴架は4人の中心に立ちニヤリと笑う。
「力の均衡の崩し方など簡単。君達の内の誰かを殺せば良いだけの事」
手にしたコインを親指で弾く。
クルリと回るそれは高々と舞い上がった。