noir papillon
何の魔法も使えない少女が魔法の飛び交うこの場に居る事事態、根本的から間違っている。
此処に居る以上、身を守る術の無い彼女を待ち受けるのは死あるのみ。
この場から逃げ出しても可笑しくない。
否、逃げて当たり前なのだ。
なのに彼女は逃げも隠れもする事無く、自らの敵である災厄の魔女へと立ち向かう。
只独りで、仲間であるハル達の力になる為に。
「…ったく、無理して……」
「彼女らしいと言えば、彼女らしいですが」
「ミヤビの作ってくれたこの時間、無駄にする訳にはいかない。彼女の為にも俺達は俺達にできる事を」
「自らの力を発揮するのだ」
柴架からの攻撃を交わし、ミヤビの援護をしながら災厄の魔女を倒す為、ハル達4人は魔力を集中させる。
ふと気づけば、何ら変わらぬ太陽は西に傾き始めていた。