この恋は、絶対に秘密!
「理性……無くしちゃってもいいですよ」



なるべく声が震えないように意識しながら、熱い視線を絡ませる。


もう覚悟を決めたの。
今度は逃げ出したりしない。



「岬さんとなら、私……」

「──絵瑠ちゃん」



またしても大胆発言をしようとする私を、岬さんの低く凛とした声が遮る。



「……そういうことは、本当に好きな相手にだけ言うこと」

「──っ…」

「流されるのも悪くないかと思ったけどやめておくよ。
君は本当に純粋な子だろうから、俺は君を汚したくはない」




──私の中で燃えつつあった熱は次第にその激しさを失い、何か温かいモノに変わったような気がした。


岬さんの瞳に宿っていた危険そうな色香も、その存在を潜め穏やかになりつつある。


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