この恋は、絶対に秘密!
……私は、あなたのことが本当に好きなんだよ。

一時の気の迷いで言ってるわけじゃない。


そんなこと今の私が言ったところで信じてもらえるはずがないけれど、

本気で好きだからこそ、今夜だけでもあなたと繋がりを持ちたいと思ったのよ。



──だけど。


『俺は君を汚したくはない』

という言葉の中に、岬さんが私のことを考えてくれていることが読み取れて、ほんの少し嬉しさも感じる自分がいるのだ。



「岬さん……」



何を言ったらいいか、言葉が出てこなくてただ名前を呟いた私に、彼は微かな笑みを口元に浮かべて顔を近付ける。

反射的に目をつむると、額に柔らかな感触が。


額に軽くキスをされたのだと理解した時には、すでに彼は私から身体を離していた。


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