この恋は、絶対に秘密!
軽く自己嫌悪に陥っていると、私に気付いた岬さんはいつものように「おはよ」と声を掛けてくれた。

まるで昨夜のことが夢だったみたいに爽やかだ。



「おはようございます」

「ちゃんと寝れた?」

「はい、もうぐっすり。岬さんはソファーで大丈夫でしたか?」

「あぁ、俺はどこだって寝れる人間だから」



その答えに思わず笑ってしまった。

仕事の時の完璧主義なイメージはどこにもないんだもの。



「簡単なもんしか出来なかったけど、はい」



岬さんは二人分のお皿をテーブルに並べていく。

トーストに目玉焼き、サラダ。

十分満足出来そうな朝食に私のお腹もぐぅと音を鳴らす。


岬さんはそんな私を横目にクスッと笑みをこぼし、私は恥ずかしくなって俯いた。


< 104 / 387 >

この作品をシェア

pagetop