この恋は、絶対に秘密!
一時の夢を見ていたんだ。
甘く、危険な夢を。


そう思うことにして、食事を終えた私は岬さんの服を着たまま、送ってくれると言う彼の車に乗り込んだ。


ドレスはファスナーを上げられないだろうから着替えるのをやめたのだ。

岬さんは「気にしなくていい」と言ってくれたけど、服も洗濯して返したかったし。


……まぁ、それはまた会いたいがための口実でもあるということは黙っておこう。




家まで行くと誰かに気付かれるかもしれないと思い、近くの小さな公園の前に車を停めてもらった。

土曜日の朝ということもあってか、周りに人はいないからこんな格好をしていても気にならない。



もう着いちゃった…

名残惜しさを感じつつ、私はドアに手を掛ける。


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