この恋は、絶対に秘密!
さぁ、ここからが勝負だ。
まずお父さんに会う前にこの服装をなんとかしなければいけない。
普通に家に入ったらきっと見つかるから……
一つ考えていた策を実行するために、泥棒のようにコソコソと身を潜めつつ裏庭に向かう。
そこにはある人物が花壇に水を撒いていた。
──予想通り、とほくそ笑むと、私は静かにその人の背後に近付き。
「……汐美さん!」
「きゃあぁ!!??……んぐ」
これまた予想通りに雄叫びを上げる汐美さんの口を手の平でばっと塞いだ。
これでもかと目を見開く汐美さんは、私だと気付いてぱちぱちと瞬きをする。
しーっと人差し指を立てて口に当てると、私の意図を理解したらしくコクコクと頷く彼。
手を離すと、ぷはぁ!と息を吐き出した。