この恋は、絶対に秘密!
それから男性と関わる機会も多少増えて、けれどその度に『お嬢様だね』とチヤホヤされるようになった。

私自身は本当にそんな自覚はないのに。



たしかに家はお金持ちだけれど、言葉遣いや礼儀作法を厳しく仕付けられたわけでも、茶道や華道なんかの品の良い習い事をさせられたわけでもない。

お父さんは世間体を気にするけれど、お母さんが『自分のやりたいようにやりなさい』というスタンスの人だから。


そんなお母さんにベタ惚れなお父さんには、主導権はほぼないと言っていい。



ただお母さんの好みのおかげで、昔から私の服装はきれいめでお姉さん風の高価なものばかり。

髪型もずっとお姫様みたいなゆるふわロングで。


そんな外見からもお嬢様だと言われていたんだと、後々気付いたのだった。


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