この恋は、絶対に秘密!
でもこれをそつなくこなせた時にはそれなりに認めてもらえるし、お嬢様という付加価値がなくても自分自身の力で出来たんだという達成感を味わえる。


だから、例え雑務だって私にとってはやりがいがあるのだ。




「おはよう、和久井さん」

「おはようございます」



出社して早々中年のおじ様である専務に挨拶され、私もきっちりと会釈する。


仕事は出来るけれど気難しい専務は社員の中では煙たがられていて、眼鏡を掛けた小太りの外見から“タヌキ親父”と陰で呼ばれてるらしい。



でも、私は味方ですよ専務。


だって可愛らしいじゃない?
仕事に一生懸命なタヌキだなんて。


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