この恋は、絶対に秘密!

すぐに追い返されたら……と不安だった私は、ひとまず部屋に上がらせてもらえてホッとしていた。

しかも岬さんは私のバッグまで運んでくれて、相変わらず優しい。



リビングに入るとテーブルの上には、彼が好物だと言っていた焼酎のビンとグラス、そして炙られたイカの一夜干しが。

まさに晩酌の最中であったことを主張している。



「すみません、おくつろぎ中に……」

「別にいいよ、昼間から飲んでたし」

「昼間から!?」



思わず素っ頓狂な声を上げると、岬さんは無表情のままソファーに腰を下ろす。



「せっかくの休みなんだ、昼間からビール飲んで何が悪い」

「いえ……全然悪くありません!」



……なんだかちょっぴりいじけた子供みたいに見えるのは酔っているせいでしょうか?


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