この恋は、絶対に秘密!
でもそのためには岬さんに鍵を借りる必要がある。

果たして彼が私のためにそんなことまでしてくれるかどうか……

と思いつつ岬さんと向かい合わせに座り、私の出勤時間のことで話している時のことだった。



「あれ、渡しといた方がいいか」



と言って彼は不意に立ち上がり、棚の引き出しの中を漁り始めた。

だいたい常備しているらしい納豆をもらって箸で掻き混ぜていた私は、その動きを止めて彼の行動を眺める。


そして「あった。はい」と手渡されたものは、まさに私が欲していたソレ。



「これ、合鍵……いいんですか!?」

「絵瑠ちゃんの方が家出るの遅くて帰りも俺より早いなら、ないと困るだろ」

「は、はい……!ありがとうございます!」



まさか本当に貸してもらえるなんて……!


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