この恋は、絶対に秘密！

「もちろん、そんなことはしません！神様仏様に誓って絶対！！」

「わかってる、念のため言っておいただけだよ。君がそんな悪女だとしたら、昨日のうちに財布の中身でも持って逃げ出してるだろうし。
そして俺は神様も仏様も信じていない」



身を乗り出して否定する私を上目遣いでちらりと見上げそう言うと、またすぐに新聞に目を戻す。

そんな彼に思わず笑みがこぼれてしまった。



私を信頼して合鍵まで渡してくれるなんて、岬さんって意外と寛容なんだな。

まぁ、私を置いてくれる時点でそれは十分わかっていることなのだけれど。



せめて食費くらいは私が出そう。家事にも挑戦してみるんだ！

そう気合いを入れながら、朝食を食べ終え早々と仕度をして玄関へ向かう彼を見送る。