この恋は、絶対に秘密!
岬さんの家から会社までは、アパートの前の市民図書館に停まるバスに乗って向かうことにした。

時刻やルートはしっかり調べておいたから、あの面接の時のように時間を間違えることはない。



無事に到着すると、私はいつもと変わらない仕事を始めた。

社員の皆と挨拶を交わし給茶器の掃除をして、欠伸をする知恵美ちゃんに笑いかける。


──そして、工場での製造のお手伝いを終えて事務所に戻ってきた岬さんの姿に胸をときめかせる。



先週と何も変わらない朝なのに、私の中では生活が一変したのだと思うと不思議な感じだ。


男性社員に何か口酸っぱく注意している様子の岬さんに含み笑いしつつ、事務仕事を始めると電話が鳴る。

3コール目で受話器を取った。


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