この恋は、絶対に秘密!
思いっきり仕事の電話だったー!
しかも岬さんを名指しされて何故かドキリとする。


でも株式会社スミヤというのは、私達の取引先ではない企業だ。

地元では有名なスーパーを各地に展開しているから、その社名を知ってはいるのだけれど。



とりあえず電話を保留にして、岬さんが座るデスクに向かう。同じ事務所内にいるから内線を掛けるまでもない。


朝とは別人を演じていることにドキドキしつつも、平静を装ってパソコンに向かう彼に声を掛けた。



「おはようございます、課長」

「あぁ、おはよう」

「株式会社スミヤの坂下さんっていう方から、岬課長にお電話なんですけど……」



そう伝えた瞬間、彼はパッと顔を上げて私をじっと見つめてきた。


えっ、何で!?

まさか、私が絵瑠だって気付いたとかじゃないわよね……!?


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