この恋は、絶対に秘密!
毎月何かしらの手違いがあったりで、一度でピッタリ金額が合うことは少ない。

今日も納品書が足りず、その対応に追われて気が付けばもう定時を一時間も過ぎていた。



「課長、お疲れ様でした。お先に失礼します」

「あぁ、お疲れ」



ふいにそんなやり取りが聞こえて、私はパッと顔を上げる。

挨拶をして事務所を出ていく女性社員と、バッグに書類を詰める岬さんの姿が目に映った。


そんな彼に気付いた専務が近付く様子を、私はパソコンを見るフリをして盗み見る。



「岬くん、今日は早いな」

「保健所の講習会と重なったんで、メニュー検討会議がなくなったんですよ」

「そうか。じゃあこれから久々に一杯やりに行くか?」



えっ、岬さんと専務が二人で飲みに行くの?
そんなツーショット想像出来ない。


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