この恋は、絶対に秘密!
事務所に入ってくる社員さんと挨拶を交わしつつ、役目を果たした茶葉を捨てて黙々と掃除していると。
「ちょっと谷垣さん」
そんな時でも、私の耳は“彼”の低音ボイスをしっかりキャッチする。
チラリと振り向くと、私の同期である谷垣知恵美(タニガキ チエミ)ちゃんが、彼を見上げて引きつった笑みを浮かべていた。
あぁ……あれは何か怒られると察知した時の顔だ。
「な、何でしょう?岬課長……」
「『何でしょう』じゃないでしょう。月初めに帳票を出すのは誰の仕事でしたっけ?」
「!!……わ、私です……」
彼──岬(ミサキ)課長が敬語口調になるのはだいたいお怒りになってる時の癖。
だから今私に背を向けていても、きっと口元に冷笑を浮かべているだろうとわかる。
その証拠に、知恵美ちゃんはやっぱり表情が固まっているし。
「ちょっと谷垣さん」
そんな時でも、私の耳は“彼”の低音ボイスをしっかりキャッチする。
チラリと振り向くと、私の同期である谷垣知恵美(タニガキ チエミ)ちゃんが、彼を見上げて引きつった笑みを浮かべていた。
あぁ……あれは何か怒られると察知した時の顔だ。
「な、何でしょう?岬課長……」
「『何でしょう』じゃないでしょう。月初めに帳票を出すのは誰の仕事でしたっけ?」
「!!……わ、私です……」
彼──岬(ミサキ)課長が敬語口調になるのはだいたいお怒りになってる時の癖。
だから今私に背を向けていても、きっと口元に冷笑を浮かべているだろうとわかる。
その証拠に、知恵美ちゃんはやっぱり表情が固まっているし。