この恋は、絶対に秘密!
「奥さん……」



やっぱり……と予想はしていたものの少しショックだった。

夢の中で、岬さんは彼女を追っていたのだろうか。



「驚いた?俺みたいな男が結婚してたなんて」

「あ、はい……。や、岬さんはとっても素敵なんですけど……!」



知らないフリをしようとしてまた余計なことまで言ってしまった。

岬さんはクスッと笑って、どこか遠くに視線をさ迷わせる。



「もう4年も前のことだけどね。……アイツの夢なんて見たのは久々だ」

「……どうして、その……別れちゃったんですか?」



ずっと心の奥で気になっていたことを遠慮がちに問い掛ける。

聞いてはいけないことかもしれないけれど、聞かずにはいられなかった。


岬さんは目を伏せて力無く呟く。


< 192 / 387 >

この作品をシェア

pagetop