この恋は、絶対に秘密!
:*:終わりの予感
翌日、私は沈んだ気持ちのまま仕事をしていた。
岬さんもあれからあまり眠れなかったのか、欠伸をしたり目を擦ったりしている。
そんな彼の姿を目の端に映しながら、私は席を立った。
連絡事項を書いたプリント類を持って、社員専用の玄関に向かう。
そこにある大きな掲示板にプリントを貼っていると、配送課の社員達が通り掛かり軽く会釈をした。
「そういや今日花火大会か」
「俺ちょうどその時間配送なんだよ、嫌だな」
「絶対道混むもんなー」
そんなことをぼやきながら通り過ぎていく彼らのおかげで、今夜は花火大会だということを思い出した。
「花火、か……」
岬さんと一緒に見たいな……とぼんやり思うけれど、元奥さんのことが気になってなかなか楽しい気分にはなれない。