この恋は、絶対に秘密!
怪訝な顔をしながらそろりと近付いてみると運転席のドアが開き、可愛らしい車によく似合う可愛らしい笑顔の彼が姿を現した。



「仕事終わった?お疲れ様~」

「未来くん……っ!」



やっぱり!

サラサラの茶髪を揺らし、にこにこと屈託なく笑うワンコの登場にギョッとする。

彼はずんずんと近付くと身を固くする私の肩をグイッと抱き寄せ、耳元でこう囁いた。



「お迎えに上がりましたよ、瀬奈お嬢様」

「は? ちょっ……!」

「ほらほら、そんなガリ子ちゃんみたいな眼鏡は外してさ」



未来くんは私から眼鏡を取り去ると肩を抱いたまま車へ戻り、強引に助手席に乗せられてしまった。

運転席に乗り込んだ未来くんは、ハンドルに片手をかけ私の顔を覗き込む。



「やーっぱりまた家出したんだねぇ。今日は料理教室の日だっていうのに、それも無断欠席するつもり?」

「ゔ……すみません」


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