この恋は、絶対に秘密!
「あの……今、まだその人いないと思うの!ちゃんとお礼言ってからじゃないと……!」

「一旦家に帰ってからでもいいんじゃない?連絡先は知ってるんでしょ?一言言っとけば大丈夫だよ」

「でも……」



万が一岬さんの部屋まで入られたら、男の人の家にいたってことがバレてしまう。

それに何より、こんな気持ちのまま岬さんと離れてしまいたくない。


わがままだってことも、早く出ていかなきゃいけないことも十分わかっているけれど、強引に家に連れ戻されるのは嫌だ。

せめてあと一日だけ──…



「……瀬奈ちゃん」



私が握っていたギアに乗せられた未来くんの手が、逆に私の手を握り返す。

そしてサングラスを外し、すべてを見透かすような薄茶色の瞳で私を見据えて言い放った。



「今、男の家に泊まり込んでるでしょ?」


< 199 / 387 >

この作品をシェア

pagetop