この恋は、絶対に秘密!
明日は土曜日。岬さんはまた仕事かもしれないけれど、私は荷物を纏めて帰ろう。
そう決心した私は、バスに揺られながら、せめて今夜は思い出に残る夜にしようと急きょ計画を練っていた。
バスが駅の近くを通ると、浴衣姿の女の子達やはっぴを着た人の集まりが窓から見え、今夜の花火大会の熱気が伝わってくる。
……岬さん、花火が始まる頃には帰ってくるかな。
彼の好きな焼酎とおつまみを用意しておいたら喜ぶかも。
それで、一緒に花火を見れたら幸せだ。
昨日のこと…優海さんのことも、今夜だけは忘れて好きな人と過ごす至福のひと時に浸ってしまおう──。
そんなことを考えた私は、すっかり通い慣れたアパート近くのスーパーに寄り、夕飯の買い出しをすることにした。