この恋は、絶対に秘密!
「おかえりなさい……!」

「ただいま」



思いのほか早く帰ってきたことに嬉しさを感じつつ精一杯の笑顔で迎えると、彼も一瞬微笑んで答えてくれる。

こんなやりとりも、いつの間にか自然になっていた。


でも今日の岬さんは、アルコールが入っているせいかいつもと様子が違う。

若干ふらついた身体を壁に手をついて支え、靴を脱いでいた。



「……結構飲んでます?」

「いや……んーまぁ、飲んだか……」



岬さんらしくないなんとも曖昧な返事に、やっぱり酔ってるんだなと苦笑する。

でも、岬さんがお酒に強いのは毎日の晩酌を見て知っているから、こんなふうに酔っている姿は珍しい。


何かあったのかな……と不思議に思いつつ一緒にリビングへ向かおうとすると、岬さんがキッチンの方を見て立ち止まった。


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