この恋は、絶対に秘密!
彼の目線の先を追うと、テーブルの上に並んだ料理が。
ラップしたまま置いておいたんだった。



「これ……君が用意したの?」

「あ、はい……!岬さんからのメールに気付かなくて作っちゃったんです」



少し驚いた様子で笑みも見せない岬さんに、もしかして勝手にこんなことをしたらマズかったかしら、と急に不安になってくる。



「あの……勝手に色々やっちゃってすみません!また明日にでも食べてくださいね!」



へへっと笑ってごまかしながら、冷蔵庫に入れておこうとお皿を持とうとしたその瞬間──。



「きゃ……っ!?」



カチャン、と手から離れたお皿がテーブルの上で音を立て。

突然後ろから回された逞しい両腕に、私の身体は抱きすくめられていた。


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